ブログ
家具工房に捧ぐ
木工教室
-
木工教室とトラ
8月の木工教室も終わりました。暑かったり雨が降ったりでコンディションは良くなかったのですが今月も多くの方に来ていただいた。
3年前の9月に始めた木工教室ですが、まる3年が経過しました。最近は椅子を作っている方が多い。
この秋からは旋盤を使った椅子作りコースも新設の予定。
_______________________________
最近めっきり出番の減ったスタッフ・トラ。
人間にすると70歳くらいなのかなぁ。散歩も昔ほど歩かなくなりました。
週末の教室ではトラに会う事を楽しみ来られる生徒さんもいて、工房に連れています。いつものポジションで受付け勤務。
生徒さんに弄ばれる事もしばしばあります。
犬も嫌な時はいや顔をするものです。
しかし、長年工房の営業担当として培ってきた意地を見せ最後はポーズをとりました。 70歳なのに…
-
椅子作り
修行期に「椅子はやらない方がいい」と言われる事がよくあった。
木工を始めたばかりのものにとって、椅子はそのサイズ感から簡単に作れるのではないかと錯覚する。また自らの椅子を自分で作りたいとの思いは、この仕事をしていれば誰にもあると思います。
私自身も起業してすぐに椅子を作りましたし、それなりに販売もしました。
事業としてやってみて初めて分かるのですが、椅子作りは時間的にも技術的にもそして経費的にも非常に難しい品である事を痛いほど感じます。
その理由を簡単に説明すると、細いフレームで高加重を支えなければならないので製作精度を求められる事と、使用する部材も高強度に耐えるものでなければならないので、節などの入っていない木材の大トロ部分ばかりを使わなければなりません。そして何よりそのデザインと座り心地を誰の真似でもなくオリジナルで考える事はとても大変。数年間の私作。
とまぁ、椅子作りに関する泣き言はさておき、作る楽しみを学ぶ木工教室の方では上に書いたような採算性を考えなくてもよいので、この秋から椅子作りのコースを新設の予定です。
サンプルを作っている。
丸のみと四方反り鉋で座繰り。涙が出る程大変で楽しい、ほぼ登山。
転びのある貫をジグを使って穴掘り。
まずはシューメーカースツール。 やりがいは高です。
-
家具製作技能士の講座
「家具製作技能士」という資格をご存じでしょうか?
日本に古くから伝わる「ほぞ加工」や各種の「仕口」加工を試験化した実技試験と学科試験からなる国家資格です。資格の取得はもとより、実務の中での採用が少なくなっているこれらの伝統的な技法を学べる少ないチャンスになります。家具工房treehouseでは「家具製作技能士3級講座」を9月より開催します。
この講座では家具製作技能士3級の資格取得と同時に、現役の家具職人から木工の基礎を学び、木工の基本と考え方を習得します。詳しくは↓ -
木工教室8/7~9
週末は木工教室でした。
体験コース、バターナイフとお箸。
誰でも確実に作れて、大変喜ばれる。
体験コース「座編みの椅子作り」。
ほぞを加工したところから作ってもらうのですが、カンナ掛け、面取り、組み立て、そして座編みと仕事量は多いです。
長期コースのカリキュラムを終えた方は、ある程度自由に作ってもらっています。
整理棚、縦にも横にも使えます。
ダイニングテーブルは最後の組み立てを終え
完成しました。
ブラックチェリーで作りました。これから少しづつ色濃いブラウンに変化していきます。子供の成長の様に徐々に変化していくので、当初の写真を見ると驚く程です。
組子のコースも教室でやっています。
というのはウソで、生徒さんがご自宅で独学で作った作品。作り方を聞いてみるとかなり幾何学的な要素が多くて驚きました。いつか教室でも作れる様にしたい。
Nさんから「折り畳みの蓋のある裁縫箱を作りたい」申し出があった。のが昨秋。家具作りで一番難しいのが、こういった機能的な作品で細部の位置調整などを完全に網羅した設計図を書かなければ作る事は出来ないと思います。
しかし、そんな設計図も書けないのでモックアップ(試作模型)を作り、位置関係を探りながら製作に至りました。
出来るもんです。 木工教室に不可能はありません。
___________________________________
〈失敗から学ぶ〉
木工は基礎の習得に非常に時間が掛かる為、教える側と教わる側それぞれに辛抱強く謙虚に取り組まないとなかなか上達できないところがあります。うまく書けないのですが、一般的に技術と言われる分野の中でも理論と実践が複雑に絡みあうのが木工だと思います。 このように書くとまるで謙虚に辛抱強く理論と実践をわかりやすく教えているかの様に聞こえますが、実際のところ身振り手振りで説明してあとは失敗してもいいからどんどんやって下さい、といったのが弊教室の実情です。しかし、この失敗前提方式が意外とよくて、私自身もそうなのですが失敗するとその原因について考えるようになり、いずれは感覚的に作業ができるようになります。理論とかそれを踏まえた実践とかそういう難しい事ではなくて、感覚的に理解し職人的に作業できるようになる近道はやはりどんどん作って失敗するしかないようです。 さぁ失敗しよう。 -
木工教室7月
週末の木工教室。
人気の器作り。ダイナミックな彫跡がいい。
ペーパーコードチェアのフレーム塗装中。
春から始めた角度のついた小椅子ができました。
教室の新しいプログラムに加えたのですが、少し角度が付いているだけで難易度がかなり上がます。第一号お疲れさまでした。手加工で精度を上げるコツを生徒さんの方が発見、こちらが習ったりしています。
花台。
ノミとノコとカンナでコツコツと作りました。
こちらはウォールナットで2脚目、更にクウォリティーが上がりました。
木工教室に興味のある方、まずは体験コースへ↓
家具製作技能士の資格取得講座9月~
-
木工教室6/11~13
週末は木工教室でした。
今週は私自身がバタバタとしていてあまり写真を撮れませんでしたが完成品のご紹介。木のスプーン。
素材はブラックウォールナット。 匙面のところに丁度シラタがきていて面白いデザインになりました。
木の器。
素材は栗。全て手ノミで掘ります。人の手による彫跡が既製品に無い味わいを与えてくれます。
整理箱。
教室のカリキュラム終盤に据えている作品です。とても難しいので、集成材を用いた一段の整理箱を練習してもらっています。この後2段、3段の整理箱作りへ進む。
木工教室ですが、生徒さんの数も多くなり道具や材料の管理も年々難しくなってきていて、特にちょっとした備品や電動工具を置くスペースに困っていたので作りました、ツールカート。
ホームセンターなどで鉄や樹脂製の物は売っているのですが、木工教室の意地で木で製作。これでさらにスッキリ。
テーブルの紫陽花も綺麗に咲いています。
-
木工教室
週末は木工教室でした。
先週と今週を合わせてアップ。お箸とスプーンとカッティングボードを作りました。雑貨屋さんが開けそうですね・・・
木の器も完成、素材は山桜。 木の器専門店が開けそうですね・・・
スプーンも出来た。 スプーン屋さんも開けるかな・・・
座編みの椅子もあと少しで完成。 椅子屋さんも開けるぞ・・・
写真だけ見ていると、それぞれの作品クウォリティーはプロレベルで開業もできそうですが決して誰もしません。
ビコーズ、それを作るのがとても大変な事を知っているから・・・木の器を掘っています。
集中しすぎて腱鞘炎になる方もいるので、程々を薦めています。
ダイニングテーブルを作る女子。
ほぞ穴を手ノミで掘り、ほぞを手ノコ切りました。脚のテーパーは手カンナで削り、仕上げ後は手作業で組み立てます。半分は技術ですが、残り半分は気持ちで作っています。
テーブルの様な大きな家具も出来るだけ手道具で作る事を教室のコンセプトとしています。
-
木工教室5/21と5/22
週末は木工教室でした。
墨付け。
加工。
黙々と作っています。
二室に分かれて作業を行っているのですが、私一人では指導が行き届かないところがあって、一方はスタッフ・トラに任せています。
無口すぎて無視されています。
気候もよく、皆さんはかどっていました。
-
木工教室 4/30~5/5
GW中は全て木工教室でした。
唯一一枚だけ残っていた桜材。
硬いので腕の太い男性に掘ってもらいました。
体験コースの丸椅子作り。
未経験の方でも作れるように、ほぞ加工を施した部材からスタートします。
それでも作業量はかなりあって、完成すると達成感があるようです。お疲れさまでした。
木のスプーン。
こちらも初心者の方の作品。 上手。
サイドテーブルもできました。
ほぞなどの仕口は全て手加工で作りました。
年齢や性別をいうのは失礼かもしれませんが、60代女性の作品。
時計も作ります。
文字はトレーシング後、電熱ペンで焼き入れます。
転びの小椅子の仮組み。
ほぞは全てノミやノコなどの手道具だけで加工しています。難易度高。
ダイニングテーブルを作っています。
鉋掛けは見た目以上に重労働です。しかし綺麗な木肌を削り出せると疲れを忘れ掛け続けてしまいます。
_____________________________
〈木工と人生経験〉
木工教室に来れれる方の年齢は50代~60代の方が多いです。更に上は70代の方もおられます。若い方は30代、20代の方は今はいません。 比較的若い方は失敗を気にするがあまりなかなか前に進めず諦めるといった光景を目にしてきました。 半面、高齢の方の我慢強さというか忍耐力と言うか、また失敗してもあまり気にせず取り組む胆力を感じる時があります。木工、特に家具作りに関しては決して簡単ではないのである程度失敗を許容する事が、木工を深く知ることに通ずると思うのですが、体の衰えと反比例する形で人生経験を糧に家具を作る光景を目にすると感慨深いものがあります。 -
木工教室4/16~18
週末は木工教室でした。今週は沢山写真を撮った。
体験コースの丸椅子作り。生まれて初めて鉋を持ち、そして削る。
こちらも体験コース、お箸作り。
皆さん、よく削ります。
うって変わって上級者。学習机を作っています。
作りて目線での家具は、テーブルや椅子の様な脚物家具と、箪笥やキャビネットなどの箱物家具の二つのジャンルに大別されるのですが、学習机はその二つの要素が混じっていて、見た目以上に製作は困難です。 ご自身でよく設計を煮詰められています。
転びの椅子の脚のほぞ穴の鑿の穴の加工。の写真。
7枚アラレ組のデスクワゴン。
機械室の方では、スタッフも出動。
鉋の下刃調整。
鉋掛け、これが基本です。
ほぞ穴加工。 手鑿でコツコツと掘るのですが、これが意外と楽しい。
木の器作り。とても丁寧に彫られています。
完成が楽しみ。
木工教室に興味のある方はどうぞご参加ください。↓
-
道具箱
木工教室の道具置き場はこのようになっていて
未経験の方や入会間もない方などに使って頂いている。
上達した方達には教室から道具を斡旋しているのですが、一式の量になるとなかなか多くて徒歩で来られる方もいるので、全てを強制的に購入いただく訳にはいかなかった。ので、作りました。道具箱。 幅400mm×高さ110mm×奥行100mm。
シンプルで洗練された印象から北欧家具のそれを彷彿とさせなくもないのですが、どっしりと落ち着いた和のテイストから鰹節削り器に見えなくもありません。なんのこっちゃ。
さぁ、中を見てみよう。
おお~、よくわからない。
取り出してみると、
左から、胴付き鋸・両刃鋸・四分鑿・三分鑿・シラガキに直角定規、そして毛引き。寸四サイズなら鉋も入れる事ができます。 鋸と毛引きは簡単に分解できるので、バラして収納。
道具は兵庫県三木の卸問屋から直接仕入れています。質としては「中の上」くらい。プロが使っても十分に使えるものばかりです。
小さな道具箱から素敵な家具を作ろう。
-
木工教室
週末は木工教室だった。
日曜日、体験コースお箸つくり。
ご夫婦で、バターナイフと菜箸、2セット作りました。
こちらは学習机。学習机は狭い空間に引き出しを配置するのが意外とと言うかかなり難しくて、私も初めて作った時、設計段階でかなり頭を悩ませたのを思い出します。
こちらは整理箱。
引き出しの前板と天板の前部に軽いアールを取っていて、それだけで全体の印象がソフトになりました。また、引き出しは上からウォールナット、チェリー、アルダーと異種材を並べました。時が進むと、黒、赤、黄になります。
週末に木工教室を行っていますが、平日はオーダーメイドの家具屋として普通に家具を作っています。その両立はなかなか大変なのですが、違う見方をすると現役の職人がやっている木工教室はかなり珍しい存在だと思います。
両立が大変な反面相乗効果も大きくて、生徒さんのちょっとしたアイディアが家具作りの仕事に役立ったりする事もあります。何より、週末に多くの方が集まる環境を作れた事は凄く大きくて、やりがいを感じます。
これからも家具作りと木工教室の2本立てで続けていく気持ちは更に高まりそうです。