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家具工房に捧ぐ

求人

  • 上松へ

    早朝、小倉から新幹線で名古屋へ。その後、特急と在来線を乗り継ぎ長野県某所へ。到着したのがお昼の12時過ぎでした。何もない無人駅から歩いて20分くらい、着いた~。

    長野県上松技術専門校。家具の製作技術を教える学校です。この学校の技術レベルの高さは業界でも有名で以前から興味があった。 秋頃に私から学校に求人票を出していたら先生の方から直々に連絡があって、それならと言う事で直接行ってみる事に。

    今年は25人くらいの方が学んでいるそうです。
    休憩時間に全員に集まってもらい、弊工房の紹介と特徴など説明させてもらいました。
    求人の方は距離的条件が大きく反応薄。しかし後で九州出身の方などに話しかけてもった。
    どうなる事だろう。

    先生方には大変よくしてもらい隅々まで案内して頂きました。
    常勤の先生4人に専門の外部講師多数という凄い環境。また一年のカリキュラムは多岐に及んでいて、学ぶ生徒さん方もさぞかし忙しいだろうと思いました。 
    何よりも関心したのは、先生方がとても忙しく教えられていた事、先生方の役割分担をよくマネジメントされていて仲良くされている事。更には木工界を少なからず牽引しているという誇りをもって働かれている事など、この学校のレベルの高さの秘訣が解った様な気がしました。

    土地柄、脚物加工や旋盤など強そうでした。教えてほしいくらい。

    学校の理念として、手加工に力を入れている。
    手加工ができる人は機械加工も上手です。

    写真はありませんが、突板を用いたフラッシュの技術も高かった。
    その他、漆塗り、ウレタンの吹付塗装などやっているグループもあって、いったいどれだけ教えるんやねん、といった感じでした。

    上松の街、向こうに見えるのは空木岳かな、

    求人の件はともかく、今後の仕事の方向性を考える上でとてもよい旅になった。
    学校との繋がりが出来たのも嬉しい。

    この日は帰れず名古屋泊。うって変わって大都会。

    忘年会シーズンでどこもお店は一杯でしたが、カウンターが空いているお店を見つけたので、軽く一杯のつもりで入ったら結果的には重く五杯くらい飲んでしまいました。

  • 物作りと時間

    キャスターのついた移動式のワゴンを製作しました。

    なかなか大変でした・・・

    と言うのはウソで、作ったのは木工教室の生徒さん(女性)。

    ご本人曰く「作るのに7カ月くらいかかってしまった~」と言うのですが、一回3時間の教室×月3~4回くらい出席×7か月なので、時間換算すると50時間~80時間くらいです。多く見積もって80時間としても、一日8時間作業で10日くらいです。

    とぎれとぎれの時間で、技術習得の練習などもありながら、10日程で作るとはかなり早いと思います。

    物作りにおいて、それに掛かった時間はとても大切で、作品クウォリティーの向上を求め過ぎ、時間が掛かり過ぎる物作りを私は否定します。雑でよいと言っているのではありません。
    作品のクウォリティーの維持は大前提としてあるのですが、それと同じくらい時間を意識する事が大切であると思います。時間=経験値です。
    まずは手足を動かし経験値を積む事を勧めます。多く失敗する事が大切です。
    理屈で考える前に、肌で感じ自らの目と耳と手足、そして道具を駆使して作る事で解る事が多くあります。
    うまくいかなかった事が大切で、次回の作品作りにそれを生かす事で技術的に成長します。

    まじめな事を書くので、リサラーソンの猫もびっくり。

  • 常三郎

    木工教室で生徒さんが使う道具を細々とですが、販売していて

    本当に細々と、休憩室の一角に在庫を置いている。仕入れは兵庫三木の問屋経由です。
    問屋はそれぞれのメーカーから仕入れているのですが、先日の関西行の際、三木のメーカーを何社か訪ねてみました。

    鉋メーカーの「常三郎」。社長さん自ら大変丁寧にご対応頂いた。

    一般にはわかりにくいと思いますが、数ある鉋メーカーの中でも高品質で名高い名工です。 

    これは海底に沈んでいた鎖。鉋の大部分を占める地金に用いられるそうです。

    鉋の元となる鋼材にはよく鉄橋が使われていると聞いていたが、いろいろ使うみたいです。
    うる覚えの知識でそうした再利用の鋼材で刃先である鋼(ハガネ)も作っているものだと思っていたのですが、鋼(ハガネ)は鉄工所でそれ様に作るとの事。

    これが鉋の刃先になる鋼(ハガネ)。主に日立金属で作っているそうです。

    この鋼と地金を叩き、鍛え錬鉄する事で鉋の刃が出来ていくわけです。

    夏は暑いだろう。

    最後は職人さんが調整しています。


    せっかくここまで来たし、ご案内のお礼も兼ねて社長さんのお勧めの鉋を自分様に購入させて頂いた。
    ありがとうございました。 

    「常三郎」のホームページ


  • 工房訪問

    先日行った、木工教室の作品展示会の作品の一部。

    実はこのテーブル上の作品群はうちの木工教室で作ったものではなくて、うちの木工教室に通われているアマチュア木工家のKさんから提供頂いたものです。
    教室内で製作されたもの以外の作品を、他の生徒さん方にも見て頂き、今後のモチベーションアップに繋がればと思い、作品提供をお願いしました。

    そのKさん宅へ作品をお返しに上がった際、工房の写真を撮らさせてもらいました。

    Kさんは木工歴20年超。特に誰かに習ったという事はなくて、今では廃刊になった「手作り木工辞典」などの書籍から情報を得て、少しづつ技術習得をされたとの事です。

    道具もご自身で自作されています。上の写真はルーターテーブル。

    こちらはスライドレールを用いた横切り盤。

    今は、ちゃぶ台を作られています。
    これだけの設備と技術を持っていながら、何故Kさんはうちの木工教室に通われているかと言いますと、機械設備を多用するスタイルから、ノミ、ノコ、カンナといった手道具を主体とした作業へシフトチェンジしてみたいとのお考えからでした。実際のところあまりお教えする事ができていなくて、またサンディング技術などは私の方が教わったりしていて、いろんな意味でお世話になっています。

    一応、うちの工房の写真も、

    スタッフが働いています。プロの職場特有の張り詰めた緊張感が感じられます。

  • 反り捻り

    製作が続きます。

    チェリー材の食器棚を作っています。

    引き戸の建具になる部材は削り出し後、シーズニング。

    シーズニングとは調味料全般を指す言葉として使われる事が多いと思うのですが、湿度や空気に慣らすという意味でも使われ、削った木材を放置し現場の湿度にあった状態まで反りや捻りを出してあげます。製作品の部材全てをこのようにするかと言うとそうでもなくて、建具の様に以後機能性が問われるところには注意を払っています。

    スタッフ・トラ、元気です。

    一年中シーズニングしているので、反りも捻りも出ません。