ブログ
家具工房に捧ぐ
2019年09月
-
教室一年
木工教室を始めて一年が過ぎるのですが、経験してみていろいろと思うところがあります。まず第一に生徒さん方の作る事に対する情熱のような事で、道具や環境が整っていればその出来不出来に関わらず、みなさんかなりの品を作り上げます。物作りは古来から人間の本能としてあるのだと思うのですが、少し俯瞰して見る立場からして、時間を忘れて没頭している様には若干の驚きさえあります。
次にこれは教室運営の難しさの様な事なのですが、ノミ・ノコ・カンナなどの手道具を中心とした教室にあって、加工を中心とした製作作業に没頭するあまり、その上段にある刃物の研ぎやメンテナンスなどの指導がなかなか行き届かないといったジレンマがあります。よく切れる刃物を用いる事こそが加工精度を上げ、クウォリティーの高い家具を作る第一歩につながるのですが、切れない刃物を用い、加工精度が上がらない事を自らの技量不足だと感じている方が多い印象を受けています。とは言え短い時間の教室のなかで、研ぎや刃物の取り扱いを習得してもらう事はなかなか困難ですので、前述の内容を生徒さんに方にも理解してもらい、時間が許す方については自宅でも刃物の研ぎなどに挑戦してもらい、その問題意識を高めてから教室参加してもらうなどしています。そうでない方は私が研いだ刃物を使ってもらいながら作業を進めてもらっています。これが大変なのですが。
DIYブームや電動工具の発展などもあり、それなりの家具や木工品を形作る事は難しくない時代です。しかし日本に昔から伝わる木工の技法や伝統的な木工刃物の取り扱いを学びながら、永く使える家具を作る事はやはり一入の喜びが得られる事と思います。本格的な木工は一朝一夕でできる事ではありませんが、すべて理屈の集積でしかありませんし、練習を重ねれば誰にでもできる事です。 -
アナリティクス
製作してます。
大型の棚。あと少しだぁ、頑張ろう。
ホームページのリニューアルに伴って、その分析システムがついていてこれを眺めるのが面白いです。
グーグルアナリティクス。 アクセス数やユーザーの滞在時間とかどういった端末だとか、どのページがどのくらい見られていたとか、どこから入ってきたとかいろいろと解るのですが、どの地域から見ているのかも解ります。
当然日本が多くて99%なのですが、United Statesが1%あって、これはしょーもないスパムメールの発信元だと思います。
更に日本国内のどこから見られているのかも解るのですが、これは発信元としては意外と興味深くて、東京の人が意外と見ているのか~って感じになります。
新宿シティや港シティの方が見てもあまり参考にはならないと思うのですが、でもよく考えたら各種営業で東京から電話がかかってくるので多分その人達でしょう。
間違いありません。
-
ベッドに思う
社会人2年目の息子が引っ越す事になりその手伝いへ。午前中全ての家財道具を引っ越し元で私の車へ積み、午後から引っ越し先で降ろしました。大きなものと言えば冷蔵庫と洗濯機くらいで家具も小型の物ばかり。私としては普段新品家具を納品している時の気の使い方と比べると何とも楽な仕事、と言うか仕事でもないのですが気楽です。
引っ越し元で解体し、引っ越し先で組み立て中のNトリ社製のベッド。
ベッドを解体し、組み立てながら何ともその華奢な構造に驚いた。この後マットレスを置く為のスノコを敷くのですが、これがペラペラで直接上に乗れば折れる様な構造。しかしその上にマットレスを敷く事によって、厚いマットレスの平面強度で問題なくベッド全体としての強度が担保されていると言う構造。
家具を設計し作っていると、どこまでその構造を軽減化していくかで悩むことが多くあります。半永久的に壊れない構造、耐久性を限りなく高める事はさることながら、耐久性が担保される中でいかに軽量化し構造を簡素化する事は事業として家具作りをやっていくうえでは不可欠で、逆にその構造的な耐久度がよくわからない故、過剰に強固に作るのは自己満足的であったりします。まぁNトリ社のベッドはある意味究極的で「マットを敷いていない時には絶対に乗らないで下さい」みたいな注意書きがスノコに大きく書かれていて、あくまでもマットレス一体型という使い方が前提でした。にしても一人暮らしなのになんでセミダブルやねん。と突っ込みたくなります。
-
台風
北部九州、台風は通り過ぎました。
気圧も低くなかったので、あまり大したことはないだろうとたかをくくっていたのですが、夜中に風の音で目が覚めて家が揺れる程の強風に驚きました。
こういうとき心配なのは工房で、何か壊れていないだろうか?とか、そもそも建物自体が大丈夫だろうかと、セルフビルドならではで心配だったりするのですが、いつも全く問題ありません。でも心配。
スタッフ・トラも心配していました。
何もなくてよかったな・・・俺の家でもあるしな。
トラの家ではないのですが、何もなくてよかったです。
金土日と木工教室は通常どうり行いました。台風接近の最中沢山の方におこし頂いた。ありがとうございました。
-
日々
昨日は午前中木工教室、
午後からは次作の下ごしらえなどしていた。
写真はプレス機。主に箱もの家具の製作に使います。プレス機にはモーターが付いていて昇降が自動の全自動プレスまたは半自動プレスと言うのがあるのですが、私が使っているのはモータ-のついていない手動プレス。珍しいかもしれません。だから何・・
台風も近づいていますが、トラは変わりありません。
-
木工教室
先週の木工教室から・・・
器を掘ります。 掘って掘って彫り上ます。
人間の腕とノミ一本でこんな事ができるんだなぁこちらは四角い器。 やはり全てノミ一本。
こちらは木の時計。打って変わって機械加工が多くなります。
この後オイル塗装を施し、針を取り付けて素晴らしい出来栄えだったのですが、写真を撮るのを忘れてしまいました。
小椅子製作中。ほぞ穴はまるで機械で開けたかの様ですが、全て手ノミと玄翁を用いた手加工です。素晴らしい・・・ まだ、途中ですが。
完成はこの様になります。
ほぞ穴やほぞの加工、またペーペーコードの座編みも含め全て木工教室の生徒さんによる手加工の作品です。ほとんどの方が木工初心者ですが、失敗を重ねながら少しづつその技術を習得してもらっています。
-
九重へ
九重連山を歩きました。
牧ノ戸峠から九重分かれ、北千里ヶ浜を経て法華院山荘へ。その後、鉾立峠から白口岳を登り、稲星山を経て九重山から登山口へ戻りました。もう何度も歩いたコースでしたが、まーまーきつかった。白口岳からは大船山や三俣山、坊がつるが見渡せる。
今回の山行には友人のF君と行きました。フルマラソンもやるF君はバカ体力で、日帰り20km超の山歩きも、ほとんど疲れている様子はなかった。私はほとんど一人で登山をするのですがそれには切実な理由があって、なかなか自分と同じくらいの体力で登山をしたい人がいないから、日程的にも。
私としては久しぶりに逸材発見といったところなのですが、F君は超多忙なエリートサラリーマンなので今後のスケジュール調整は難しそう。私的には平日にズル休みしてほしいのですが。九重山をバックに、今年初めて笑いました。
-
9月半ば
9月も半ばだというのに連日暑い。
晩夏というには遅すぎるし、ぜんぜん秋らしくありませんし、でも来週はお彼岸なのですが。と思っていたら急に寒くなったりするし、こんなに暑いのにインフルエンザで学級閉鎖していたりするし、季節も生活環境も多様化していています。昨日木工教室の生徒さん方とのお話の中で、スマフォやPCなどが多様化しすぎていて、ついていけない・・・ではなくて、超多様化の効能として、もうついていく必要もないという話になっていた。
-
HPが新しくなりました。
既にご覧のとおりですが、HPとブログをリニューアルしています。
開業以来HPはずーと自分で作成していたのですが、これがまぁ本当に大変でした。SNSやブログなどと混同されがちですが、フレームから考えないといけないHPはやはりプロの仕事で、私のような素人には手に負えませんでした。今回は全面的にプロの方にお願いしたのですが、私の要望は「木工教室とオーダー家具店が混然一体となったHPを作ってほしい」でした。すると出来上がったHPは、卵かけごはんの黄身と白身くらい教室と家具店が混ざり合っていてもう何が何だかわかりません。まぁ運営していくのは変わらず私一人なので、できる事しかできないのですが、まだまだ頑張っていこうと思っている所存です。お気づきの方もおられるかと思いますが、HP画面を下の方へスクロールしていくと最後にトラがひょっこりと現れる画期的システムになっています。この案について当初HP製作者に対して、いかがなものかと疑問を呈していたのですが、完成してみると疑問というよりトラに対して強いジェラシーを感じているだけの自分に気が付きました。
と言うわけで、新HPとブログ、リアル店舗と教室の方もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今回のHPのリニューアルにつきましては、フリーランスの作家fullscreenの栗原直樹氏の全面的な協力を仰ぎました。 http://fullscreen.jp
ありがとうございました。 -
誰も手を貸してくれない
家具2台の加工を終え、塗装へ。
塗装は斜めに日差しを受ける晴れた日の朝にやるのが仕上げ面の確認などし易くはかどります。
片側を終え養生の間に事務や雑用など。
次作の調整や教室の準備など、もう猫の手も借りたい状態です。
オチが見えてきましたが、
犬も手を貸してくれません。
-
木工教室
金・土・日と木工教室でした。
別名「木工、虎の穴」と言われる程厳しく指導していたら、全員辞めてしまいました。
というのはウソで今週も沢山の方に来ていただいた。どちらかと言うと、しごかれているのは私の方でした。
留めの墨付け中。練習で二箱製作の後、本番加工に取り組んでいます。
墨付けを終え、留め木口削り中。
難易度「高」ですが、練習すれば誰にでもできます。
こちらは整理箱製作中。
七枚に分かれた組手もノコとノミを使った手加工です。
花台が完成、塗装しています。
亜麻仁油ベースのオイル塗装。
ウォールナットの花台が完成しました。
素晴らしい。 製材と一部の加工を除いて、そのほとんどを手道具による手加工で作りました。
ペーパーコードの小椅子。こちらもフレーム部のほぞの全てを手加工で製作しています。
ほぼミスなく座編みまで進みました。あと少しです。
写真にはありませんが、最近では生徒さんご自身でノミやカンナを研ぐ機会も増えてきました。ご自宅で研いで、教室でも研いで、よく切れる刃物こそが正確な加工と美しい仕上げに通ずる事を少しづつ理解してもらっています。 とは言え、研ぎや刃物の扱いは一朝一夕で習得できる事ではありませんので、じっくりと取り組んでもらえれば思います。一年目は一年目、三年目は三年目の家具作りができればよいと思います。
-
日々
製作が続きます。
8月下旬の驚異的涼しさから一転。ここ数日は高温の上、湿度が高くてしんどいのですが連日の作業。と書くと仕事がつらいかの様ですが、そんなことはなくて終業後のビールが美味しくて仕方がありません。
スタッフ・トラも元気です。
友達になりたいのはわかるけど、生き方が違いすぎます。