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家具工房に捧ぐ

2020年08月

  • 教室2年

    週末は木工教室でした。
    暑い中、多くの方に参加いただいた。

    生徒さんから「脚のついたまな板を作りたい」と言う大変わがままな申し出があったので、寝ずに考えました。

    下駄の様にまな板の裏に二本脚がついている。

    一枚の板から作りました。

    私は家具職人の固定観念で頭がガチガチになっているので、こういった斬新な申し出に思い切ってチャレンジしてみると、予想外に面白い作品が出来たりします。ただ、わがまま度は人によってさまざまで、最近はかなり難しいデザインに挑戦しようとしている人が続出しているので、もうトラに任せようかと真剣に考えています。

    任せとけよ~。

    一昨年の9月初旬にスタートした木工教室がまる2年になります。
    人様に何かを教えるのは、オーダーの家具作りとは違う技術が必要で、ここまで手探りのところも多かったです。失敗を重ねながら技術を学ぶという教室のコンセプト同様、私自身もあまり深く考えず沢山の失敗を繰り返しながらここまで来ました。上にも書きましたが、最近は提案しているカリキュラムを全て終え、ご自身が作りたい家具を作る方が増え始めています。教室の運営としては今まで以上に忙しくなりそうですが、新しい発見も多く楽しんでやれています。


  • 職業として

     木工や家具作りを将来的に職業としたい、と言う方が工房に訪ねて来られる事があります。また、弊工房の木工教室に参加されている方の中にも将来の職業として木工の技術習得に取り組まれている方もいます。既にプロとして進まれた方もいます。
     私もそうだったのですが、そういった方のほとんどはある程度の社会経験を積んだ上で、第二の人生としての木工や家具作家を目指しているケースが多い。
     なので年齢は若くて30代。実践できているのは40代? 50代、60代で始めようとしている方もおられます。新たな挑戦に年齢は関係ないと本気で思っていますが、失敗しても挽回できる体力のあるうちに挑戦した方がよいとも思います。しかし現実はそう簡単ではなくて、それぞれの置かれている環境下で模索が続く場合が多いです。
     そんな目標を持った方と話をしていると、そのほとんどが「技術の習得」さえできれば、ある程度はやっていけるといった認識であるように感じます。私の場合ですが、実際の経営環境の中では「技術」のもつ役割は全体の5割、いやもっと少ないかもしれません。割合で示すのは難しいのですが、労働時間内の製作時間に換算すると大体半分くらい、残りの半分は経営全般の事務や調整に費やす事になります。組織でバリバリと働いている方からすると、その残り半分の事務や調整など会社組織のそれに比べれば大した事はない、むしろ得意分野だという方もいるかもしれません。しかしそうでしょうか?会社組織は業務分担が明確化され、それぞれがその業務を着々と遂行しているから成り立っている訳で、小さな家具工房とて、その構造は変わりません。大人数でやるか一人でやるかだけの違いだと思います。
     技術を伴う作業以外の仕事は山の様にあります。お客さんとの連絡・調整、設計・見積り、契約。 売上と経費の管理、それに伴う税務処理。 資材屋や材木店からの資材購入、それに伴う調整や時には交渉。機械のメンテナンスや消耗品の購入。さらにそもそもですが集客。集客は低予算で進めるならホームページ制作になりますがこれだけでも専門的な技術とかなりの時間が必要です、広告などを出すのであれば予算が必要になりますし、広告社との調整も必要になります。そしてこれらの仕事を統括して考える社長業の仕事もしなくてはなりません。自分がしたい仕事をするのではなくて、やらなくてはならない仕事とそうでない仕事の時間配分を考え、従業員でもある自分にそれをさせていくのです。

     木工業に限らず、起業しそれを推し進めていくにはある程度の適正があるのではないかと最近思っています。私は起業当初、お世話になっていた先輩作家に経営やマーケティングを学ぶ事を薦められ、独学ですがそれらの本をよく読んでいました。哲学的なところではドラッガー、経営の神髄的なところは松下幸之助や稲森和夫。マーケティングの本はかなり読んでいたのですが、リサーチを前提にした企業ベースのものが多くなかなか頭に入りませんでした。佐藤義典さんの本が個人事業者のマーケティングには読みやすいと思います。これらの本を読んだときにある程度納得でき、すんなりと頭に入ってくるタイプの人はどちらかと言うと起業適性がるのではないでしょうか?そもそもそんな本を読む気にならないとか、読んでも自分の感覚と関連付けて考えられないタイプの方は、起業向きではない、若しくは起業の困難さを真剣に考えられていないのかもしれません。
    偉そうな感じになってしまったのですが、何かの参考になればと思います。

    意外と大変なんだな~。


     


     

  • 木工教室8/21と22

    週末は木工教室でした。

    体験コースのお箸作り。

    熟練者はこんな家具も作っています。 

    テレビボード製作中。

    整理箱製作中。

    器作りの体験コース。

    こちらも器作り。

    スタッフ・トラも元気です、暑いけど。

    treehouseの木工教室ではノミ、ノコ、カンナと言った手道具を使い家具や木工品を作っています。こちらで定めたカリキュラムから始め、カリキュラム終了後は自由製作を行っています。初心者の方にとって木工は決して簡単な作業ではありませんが、失敗しながら少しずつ技術習得していく事を教室のコンセプトとしています。興味のある方は体験されてみてください。↓

  • 突板

    よく「無垢材」とか「無垢の家具」とか言いますが、木材だけを素材として加工・組み立てられた家具の事を他の物が混じっていないので「無垢」と表現するのだと思います。

    例えば、 このウォールナットのテーブルは木材だけを加工後、組み立てているので「無垢の家具」と言うことに。クルミの椅子もそうです。

    これに対し、いわゆる合板構造のものは無垢とは言っていけないのが業界の掟のようになっていて、究極的なところではホームセンターで売っているカラーボックスの様なものは表面はプリント合板で中身は木質系のものが入っているので確かに木でもないし、無垢でもありません。他にも合板構造にはいろいろとあって、表面材の違いですがポリウレタン合板や、住宅や少し高価な家具ではメラミン合板といって、シンク周りの扉などに使われている丈夫な素材のものなどもあります。 
     前置きが長くなりましたが、 合板の中には木材そのものを薄くスライスした突板合板と言うものがあります。

    次作製作の為、資材屋から取り寄せた突板のサンプル、ウォールナットです。
    このペラペラの突板をラワン合板に張りつけた物が突板合板。それを面材とし家具を作ります。突板合板は決して安価なものではなくて、コスト的には無垢材に勝るとも劣らない素材です。では何故家具の製作に無垢材ではなく突板合板を使用するかですが、無垢材は「木」そのもの故、湿度による伸び縮みが季節ごとに発生します。乾燥した冬に家具は小さくなり、湿気を多く吸い込む梅雨時などは少し大きくなります。
    なので、本体とその中で機能する建具を据えている家具などは、戸・扉など永年に渡るスムーズな開閉を考慮し伸縮の無い合板構造で作りたい訳です。

    突板合板を用いた家具、本体は突板を用いた合板構造です。建具は無垢材、または合板構造を状況によって作り分けます。

  • 木工の体験について

    木工を始めてみたい、木工教室に入ってみたいと考えている方向けに体験コースを全4コース設けています。ホームページに詳しく載せているのですが、このところお問い合わせが多いので、ブログからもご紹介させていただきます。

  • 靴箱

    靴箱を製作、お納めしました。

    そこは学校、そうスクール。

    多く学ばれています。そして靴の数も多い

    ので、靴箱も大きい。

    存在感のある脇役です。  末永くお使い頂けますように。

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    このブログでも製作の過程を載せていたのですが、ボリュームとしては過去最も大きな作品となりました。 全て一人で作っているので、どしても製作上の苦労話などをしたくなります。お付き合いください。

    この大きさなので分解構造で製作し現地で組み立てるのですが、まずはその設計が難しくて、分解毎のパーツが小さすぎると組み立てが困難になるし、大きすぎると運べなくなる。また運搬時の車スペースのサイズなどもあって、どこにどう分解点を持ってくるか非常に悩ましいのです。 
     次にこのくらいの大きさの作品になると「矩」と言うのですが、直角を維持しながら作り続ける事にとても気を使います。機械で切っているので直角になって当たり前でないか~と思うかもしれませんが、機械も万全ではなくて部材の配置の仕方や機械の隙間のちょっとしたチリを見落としてほんの0.数ミリの誤差を出してしまえば全体として「矩」が狂いきちんとした箱にならないのです。
    更にはボリュームの大きさ故、安易に作り続けていると作業スペースをどんどん浸食され、作業スペースが無くなってしまうという状況に陥ります。工程の管理が非常に難しい。仕上げはウレタン吹き付け塗装を行うのですが、ウレタン塗装はサンディングシーラーという下地剤を吹き付けた後、研磨を施しその上に仕上げ材を吹き付けるのですが、その研磨作業が膨大で、起業依頼初めて妻に本格的に手伝ってもらいました。 おかげで夫婦仲は非常に悪くなりました、と言うのはウソで良くなりました。というか立場が弱くなりました。と言うか、もともと弱いのですが。
     と、誰が読むねん感のある苦労話が長くなりますが、個人的には大型製作のスキルを更に向上させる事ができてとてもとても満足しています。

    以前の靴箱。

    撤去。。

    製作中。

    工房にて。

  • 山へ

    土曜の夜に新幹線で京都まで。京都から夜行バスで岐阜、新穂高の登山口に日曜の朝5時ごろついて、そのまま登りました。 一日目は双六小屋横でキャンプ。

    二日目の午前、眼下は三俣山荘で向こうに見えるのが鷲羽岳。
    鷲羽岳を登る予定だったけど、山頂付近に厚い雲がかかっていたのでルート変更。

    黒部源流へ向かいました。

    ピークを目指すのも面白いけど、沢も楽しい。

    この後雲ノ平を歩いて

    薬師沢の小屋へ、ここで一泊。

    2泊三日、よく歩きました。
    全体に薄曇りで、大きな景色を堪能する事はできなかったのですが、代わりに沢や北アルプスの高山植物を沢山眺める事が出来ました。

    歩きながら、いろいろと考える事が出来た。また来よう。

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    いくつかの衝撃
    〈衝撃その1〉
    夜行バスで寝れず初日は体調不良。予定していた三俣まで歩けず行程を変更。ひとつ手前の双六小屋のキャンプ地に泊まることに。小屋で幕営の申込書を書いて受付の若い女に渡したら「予約はしていないんですか?」と問われ「ハイ」と答えたら「今年はコロナで、テントも含め完全予約制ですよ。本来ならば受付けられないけど特別ということで許可します」とかなり厳しく咎められました。若い女に激しく責められてかなり気持ちよくなって・・・ではなくて、気持ち悪くなってしまいました。三俣のキャンプ地は予約は要らないって事になっていたのになぁ・・

    〈衝撃その2〉
    二泊目の薬師沢の小屋に早めについて、受付近くのデッキでくつろいでいたら、沢登りのグループが来て宿泊の申し込みをはじめた。前述の通り予約をしていなかったことに小屋番が怒りグループを叱りつけていた。時間も早かったし2時間歩けば大きな山小屋もある。小屋番のあまりの激しさに本当に断るかなと見ていたら結局受け入れるのです。双六もそうだったけど山小屋と言えやはり商売。しかし、行き場の無い山の中での力関係は圧倒的に山小屋側が強いです。
    というか、こんな山奥にまでコロナの影響が及んでいる訳です。

    〈衝撃その3〉
    登山の終点は富山側の折立というところだったのですが、早めについてバスを待っていると男性が棒を持って何かを追い払っている。雑木林の方に去っていくその姿は小熊でした。近くにキャンプ場があってそこから出るゴミを目当てに山から下りてくるらしい。しかし、こんなところに普通にいる事に驚き。そういえば北アルプスでは登山者のそのほとんどが熊鈴をつけている。熊のいない九州では鈴をつける習慣はないのですが、山で対面したらビビるだろうなぁ。

    雷鳥。

    花々。

    出発前

    オレも連れて行けよ~。



  • お盆返上

    先々月から取り掛かっている靴箱が大体出来た。

    まだ、棚板の製作や細部調整などいろいろとあるのですが、本体は問題なくできたので一安心。

    学校側の既存品の撤去も終わり、知人のYさんに左官工事をお願いしました。

    今年はコロナの影響で、夏休みはお盆期間の一週間のみだそうです。
    気合が入るなぁ・・・

  • 夏季の営業

    本格的な夏に突入しました。と言うかお盆もすぐそこ。
    家具工房treehouse夏季の営業は以下の通りです。

    〈工房・ショールーム〉 
     お盆も含め、いたりいなかったりです。*臨機に対応しますので家具のご相談などの場合、ご連絡(050-3703-8351)お越しください。
                
    〈木工教室〉
     8月第二週、第三週はお休みです。8/21(金)~始めます。        

    よろしくお願いいたします。